富山県の冬の風物詩、ホタルイカのシーズンがやってまいりました。
毎年掬いに行ってる人にとっては楽しみにしていた季節の到来。
今年こそ爆沸きに遭遇したい!!と言う人にはドキドキのシーズンになるかもしれません。
しかし、相手は自然。
大漁の日もあれば、条件がバッチリなのに何も掬えなかったという日も当然あります。
この記事では
- ホタルイカの身投げって?
- ホタルイカ掬いの注意事項
- ズバリ、いつ獲れるの?
- 【爆沸き】する条件は?
- 爆湧きするポイントはどこ?
- 爆湧きするとどうなるの?
- ホタルイカの処理方法
を紹介していきます!
ホタルイカの身投げに関する誤解
未だに誤解があるようですが
ホタルイカが大量に発生しタモ網で掬える状況を『ホタルイカの身投げ』とは呼びません。
『ホタルイカの身投げ』はホタルイカが大量に押し寄せて砂浜や海岸に打ち上げられることを言います。
なので防波堤の下でキラキラ光っていたり、ボートの上から見られる光っている様子を『ホタルイカの身投げ』とは呼びません。
ホタルイカは月の光を目印に泳いでいると考えられています。
ですので、月明かりの消える新月の日に方向感覚を失いやすく海岸線に押し寄せると考えられています。
海岸に打ち上げられる前に掬ってしまえ!!
というのが『ホタルイカ掬い』なんですね!
ホタルイカ掬いで守ってほしいこと
ホタルイカはウナギの幼魚や鮎の様に漁業権のようなモノはありません。
漁港や海岸であれば誰でもいつでも掬いにいけます。
なので地元民で頻繁に来る人もいれば、遠方から年一回か二回だけ気合いを入れてくる人もいます。
色々な考え方の人、ベテランからビギナー、老若男女問わず様々な方が来ますので、トラブルだけは起こさない様に気をつけてください。
また、近年ではゴミのポイ捨て、騒音などのマナー違反が目立ち近隣住民や漁師さんから苦情が上がって問題になることもしばしばです。
余りにも酷いと、夜間の漁港封鎖や規制が厳しくなる恐れもあるのでどうか常識的なマナーを守ってくださるようお願いします。
また、船で海に出て掬う事は法律で禁止されていますので控えるようにしてください。
[char no="5" char="女性"]ホタルイカ掬いの約束
- ゴミは持ち帰ろう
- 騒音には気を付けよう
- 船で海に出て掬うのは禁止
- 近隣住民に迷惑をかけない
[/char]
ズバリ、ホタルイカはいつ獲れるの?
ホタルイカは2月中旬~5月中旬にかけて獲れると言われています。
その期間のなかでも特に新月の前後、深夜(22:00~06:00)の満潮時が狙い時です
しかし自然相手なので
条件はバッチリなのに全く獲れないこともザラです。
(テクニックや装備よりも根気が一番なんて言われ方がされるくらいです)
新月はいつ?
ホタルイカシーズンと言われる3月から5月の新月、満潮時刻をまとめました。
(金、土、日、GWなど)
日付 | 曜日 | 月 | 満潮時刻 |
---|---|---|---|
3月16日 | 金 | 1:07 | |
3月17日 | 土 | 新月 | 1:53 |
3月18日 | 日 | 2:37 | |
3月30日 | 金 | 1:02 | |
3月31日 | 土 | 満月 | 2:02 |
4月1日 | 日 | 2:59 | |
4月13日 | 金 | 夜間満潮なし | |
4月14日 | 土 | 0:56 | |
4月15日 | 日 | 1:49 | |
4月16日 | 月 | 新月 | 2:41 |
4月27日 | 金 | 0:04 | |
4月28日 | 土 | 1:12 | |
4月29日 | 日 | 2:14 | |
4月30日 | 月 | 満月 | 3:11 |
5月11日 | 金 | 22:08 | |
5月12日 | 土 | 夜間満潮なし | |
5月13日 | 日 | 0:46 | |
5月14日 | 月 | 1:48 | |
5月15日 | 火 | 新月 | 2:47 |
5月16日 | 水 | 3:46 | |
5月18日 | 金 | 5:42 | |
5月19日 | 土 | 6:42 | |
5月20日 | 日 | 7:50 | |
5月25日 | 金 | 夜間満潮なし | |
5月26日 | 土 | 0:15 | |
5月27日 | 日 | 1:28 |
新月、満潮、週末…
条件の揃った日は大変混雑することが予想されます。
2018年は新月の日がなかなか週末と合いませんが、前後の日を狙えばチャンスはあると思います!
【爆湧き】天候やその他条件は?
富山県では、ホタルイカが大量に湧いた状況を爆湧きと言います。
生物学的に、爆湧きするためには
- 日中晴れた日
- 雨が降らず、海面が濁っていない日
- 陸から沖に風が吹いている日(富山湾なら南から北ですね)
- ダム放流が無い日(ゴミがスゴイ)
が比較的好条件と言われています。
やはり自然が相手なので絶対ではありません。
条件ピッタリでも獲れない日もあります。
地元民でなければ海峡や天気の確認は難しいですが、富山湾沿岸は海上保安庁や電力会社の海岸ライブ映像が豊富です。
(誰でも見られる!!)
天気は今時ネットで全国確認できるので活用すると便利です。
海況ライブカメラ
⇒雨晴海岸
⇒伏木(海上保安庁)
⇒魚津海岸線
⇒黒部川下流
⇒生地(黒部)、入善、朝日
天気
⇒富山県の風向・風速 tenki.jp
⇒yahoo!ピンポイント天気 富山
爆湧きポイントはどこ?
ホタルイカは富山湾全域で掬うことができるようですが、富山県東部の方が比較的獲れます。
摂りかたは2パターン。
①漁港、防波堤で獲る
②砂浜、海岸線で獲る
砂浜で獲ったホタルイカはジャリジャリ?
砂浜で獲ったホタルイカは砂を噛んでいるので食べる為には
砂を抜いてやるなどの処理が大変になります。
というか、砂が噛んでひどいので刺身くらいでしか食べられません。
防波堤は滑落に注意!テトラには行かないで!
防波堤で獲る場合も
テトラポットまでは入っていかないようにしましょう。
深夜になると思うので滑落するとそのまま帰らぬ人になってしまいます。
本当にやめてください。探すのは地元の人です。
爆湧きするとどうなるの?
ホタルイカは爆湧きすると本当にスゴイことになります。
それこそ海面が真っ赤っか!私も初めて見た時はビックリしました。
まさに、クーラーボックス3杯、4杯なんてすぐに埋まってしまいます。
ただ、この動画に映っているように、新月の夜でなくても爆湧きはします。
こちらはホタルイカ爆湧きの長編動画。
装備や掬い方など参考にどうぞ。
ご覧の通り、海岸で掬えば子連れでも安全に楽しめますのでおすすめです。
余談ですが、ナイトダイビングでホタルイカに逢えるかも
ホタルイカ掬いとはちょっと外れますが、ナイトダイビングでホタルイカに逢うことも可能です。
実は富山県は全国でも指折りのナイトダイビングのメッカ。
防波堤や砂浜でしか見られないホタルイカを目の前で見られるかもしれません(必ずは逢えません)
一緒に泳げるわけではありませんが、近年ではダイオウイカも出没し話題沸騰しましたからね。
最低限必要なものは?
ホタルイカ掬いに必要なものは?
これは一概には言えず、掬うスタイルにもよります。
何百匹も掬いたい!本格的に掬いたい!と言う場合は
- 投光機
- 発電機・バッテリー(投光機用)
- 大型のクーラーボックス
等の本格的な道具が必要ですが
『初めてやってみようかな』
『ひと掬いもあれば十分』
と言う方は軽装備で十分です。
- タモ網
- バケツ
- 懐中電灯(出来ればヘッドライトの方が良い)
- 長靴(海岸からの場合水が冷たい)
- クーラーボックス
- 保冷剤(氷の直接投入はダメ!)
があれば十分です。
タモ網は網の細かさが重要
気合を入れて事前準備するのは多いに結構ですが、時間が許すのであればタモ網は現地調達されることをオススメします。
タモ網の目の細かさは10mmくらいが最適と言われていますが、通販では目の細かさを確認し難いものです。
粗過ぎるとザル状態でホタルイカを逃がしてしまいますし、細か過ぎると藻屑などゴミを余計に拾ってしまいますから、ホタルイカの獲れる地域の釣具やさんで実際に確認するのがベターです。
(現地の釣具屋さんあればホタルイカ用のタモ網を備えています。)
ちなみに
- 海岸線から狙うのであれば柄の短いもの。
- 防波堤から狙うのであれば柄の長いもの(5mくらい)が目安です。
懐中電灯は出来るだけ明るいものを
これは諸説ありますが、『LEDは獲れにくいかも?』という人も居るそうです。
海中での見え方が違うとか、自然光と違うとか、ですが自然相手のことなので正直なところよく分かっていません。
(海釣りでも人によってスタイル、こだわりが違うのと同じですね)
とにかくライトは明るいに越したことは無く、イカを見つけるための要になります。
[char no="3" char="ブルドッグ"]懐中電灯の取扱い注意!
- 断り無く他人のクーラーボックス、網を照らして覗く
- 人の照らしているところを照らして割り込む
[/char]
トラブルになることもあるので絶対にやめて下さい。
獲れていない日はピリピリムードのこともあります。
クーラーボックス、保冷剤
ホタルイカは海水に住む生き物です。
ホタルイカを生け捕りにするor新鮮なままにしておくためにはクーラーボックスに海水を入れて保冷剤で冷蔵保温しておく必要があります。
保冷剤ではなく氷を投入してしまうと融けた時に海水が薄められてしまいホタルイカが痛んでしまいます。
鮮度も下がり美味しくなくなってしまいます。
[char no="3" char="ブルドッグ"]ホタルイカの鮮度を保つポイント
- クーラーボックスが必須!
- 氷ではなく保冷材を使う
- 海水が薄まるとホタルイカが痛む
[/char]
獲ったらどう処理する?
ホタルイカに限ったことではありませんが、魚介類を生食するときに心配なのが寄生虫です。
ホタルイカにも旋尾線虫という皮膚疾患や腸閉塞を起こす寄生虫の幼虫が検出されることがあります。
ですので、取れたままを踊り食いのように生食することはオススメできません。
安全に食べるには加熱調理が一番
ホタルイカを十分にボイルしてやれば寄生虫は死滅します(60℃くらいから死滅し始める)。
短くても30秒以上熱湯で茹でるのが確実ですが、お湯の量と茹でるホタルイカの量に注意してください。
十分な量のお湯で茹でてください
上手にホタルイカを下茹でしている動画があるので、紹介しておきます。
生食の場合は冷凍してから
生きたまま取れたままのホタルイカを醤油で漬けた『ホタルイカの沖漬け』ってメチャウマですよね。
(ちょいと癖がありますが)
沖漬けはホタルイカの代表的な調理例ではありますが、食べる前に冷凍処理をしてやらないといけません。
『マイナス30℃で4日以上』とか、『中心温度がマイナス35℃で15時間以上』とか色々な死滅条件があるようですが、実は家庭用の冷蔵庫はたかだかマイナス10~20℃程度です。
業務用の冷蔵庫で無い限り死滅条件を厳密に満たすことは不可能なので死滅させるというよりも弱らせる程度になってしまいます。
なので残念ながら
家庭ではホタルイカの沖漬けを確実に安全に作ることはできません。
どうしても生食したい場合は内臓(胃・腸)を完全に取った刺身が安全です。
一匹一匹取り除ければ…話は別ですか、ダヤい(富山弁でだるい)ですよ。
どうでしたか?
富山のホタルイカを獲りに行くなら!?と題していろいろな情報を紹介してきました。
北陸新幹線の開通など何かとスポットライトが当たり始めた富山は春から夏にかけて観光のベストシーズンを迎えます。
冒頭にも述べましたが、様々な人がホタルイカ掬いにチャレンジすると思われるのでくれぐれもマナーよく楽しんでくださいm(_ _)m